ピックアップ商工新聞
保証協会懇談会

融資をもっと積極的に  

 1月22日に東京信用保証協会新宿支店に於いて、山下副支店長・川島保証課長出席のもと懇談会が開かれました。新宿民商からは増村会長、辻副会長、須藤経営対策部長、木崎事務局員の4名と他に大山都議、植木前都議、中野民商・松井事務局長、杉並民商・遠藤会長が参加。
 事前に渡した「申し入れ」文書の内容に沿った形で進行しました。
 最初に、3月末で「金融円滑化法」が期限を迎えるにあたり、副支店長から「どのよう影響がでるかわからないが、保証協会としては金融円滑化法以前も以後も考え方は特に変わることはない。」との話がありました。また、「親切・丁寧な対応」については、「大事にしていることです。現在の厳しい経済状況についても認識はしており、さらにコンサルティングといった面でも相談者に対応していきたい。」との回答でした。
 「条件変更中」や「税金滞納」「赤字決算」といったことでも、「一律に保証は無理とは考えていない。ケースバイケースということになる。」ということです。
 また、「保証協会の債務残高は減ってきている。どうしても一定の事故率を考えると分母になる部分は大きくしないと事故割合が高くなり、指摘を受けることになる。その意味でも保証協会としては、融資を積極的に受けていただきたいと考えている」とのコメントもありました。
 経営対策部会としても、今回の懇談を活かすために、会員のみなさんの融資要求に積極的に応えていきたいと考えています。


ルミネの立ち退き強要を笑顔で跳ね返す

 昨年10月2日、新宿駅ビルルミネで大人気のカフェを経営する井野さんのパートナー迫川さんから「お陰様で今年度、ついにルミネさんから退店勧告の通知が来ませんでした。この5年間の中で、初めてのことです。本当にありがとうございます!」とメールが届きました。中小零細業者は立場が弱い。5年前にいた200店舗のうち最後まで「ここでお店を続けたい」と4店舗が生き残りました。ルミネからの不当な立ち退き要求に抵抗してから3年目の2009年4月に取材でお話させていただいてから2年半経過しての朗報です。喜びの声と勝利の秘訣を井野さん、迫川さんにおうかがいしました。

 「最初からこうなると思っていたわけではありません。法律的には借主が守られていて自分の主張に正当性があっても『立退き』という言葉だけでマイナスイメージ。卸は小さいお店とは取引したがらない。『立退き』の噂だけで商品を卸してもらえなくなることだってあるんです。お店をやめるしかないかもと悩みました」と井野さん。
「でもね。自分がいつもいくお店がいきなり閉まっていると寂しいでしょう。だからお客さんに相談無くやめてもいいのか?と思ったんです。『たたかう』ため、というより相談したかったんです。ベルク通信に立退きを強要されていることを書いたら、『どういうことだ』って反応が殺到しました。これは中途半端な説明じゃまずい。本当は立退きを求めているルミネが説明すべきなのですが、なるべくわかりやすい説明を作って壁新聞やHPで発表しました。するとお客さんからルミネに問い合わせが殺到しました。ルミネはノーコメントで通したそうです。弁護士にこの話をしたら『そのやり方正解だよ。ルミネは守秘義務違反だというけれど告発だから認められる』と励まされました。このとき初めて『お店を守るんだ』という気持ちが明確になりました。」

勝利の秘訣

   勝利の秘訣はどこだと思いますかとの問いに「自分が権力者との繋がりでルミネに入れたというウイークポイントも含めオープンにし、心を開いたことだと思います。実は立退きに反対する署名をJRの職員が400筆も集めてくれたのです。幹部に近い人が情報をこっそり教えてくれたりもしました。組織としてくると不気味ですが、1人1人は人間です。信頼関係ができると人は変わります。その大きなきっかけになったのは、3・11の大震災とそれに続いた原発事故でした。3・15,16日は新宿も線量が高く、ルミネも閉じました。そのときなんと上層部の連中は逃げたのです。現場の人たちは逃げられない。お互い助け合ううちに信頼関係ができました。きっと命令されてやってくる職員の人達も内心おかしいと思っていたのでしょう。自分たちだけ逃げた上層部の無責任さを見て取り残された現場の人間たちの間に連帯感が生まれたんです。」