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東商連税金交流会
消費税の5つの基本的欠陥 消費税大増税は許してはならない

 8月5(日)東商連の税金交流会に参加しました。全都から約50名の参加。元静岡大学教授で税理士の湖東京至先生の講義をもとに学習・交流しました。講演は「基本的欠陥をもつ亡国の税制・消費税の大増税は許してはならない」という演題でした。以下湖東先生が述べた消費税の5つの基本的欠陥と財源についての「提言」を紹介します。


基本的欠陥の1

際限なく税率を引き上げる欠陥  

野田内閣の「一体改革」で社会保障は後退。消費税の税率引き上げは2014年4月に8%、2015年10月に10%にするという(その後8月10日衆院通過)。日本経団連の提言は19%。やがてヨーロッパなみの高い税率にしようとしています。消費税・売上税は2000年以上前、ローマ帝国に誕生。シーザーらのちの皇帝が軍事目的税としてすべての事業者に売上高の1%を課税。近代になって1917年、ドイツが第1次世界大戦の財源として売上税を導入・第2次世界大戦期をへて高い税率に。つまり消費税・売上税は戦争財源として成長してきました。近年西欧諸国では赤字財政解消のために税率の引き上げ競争・それがさらに財政破綻を招く悪循衆に。ところがアメリカでは滞納が多いことと徴税吏だけがふえることを理由に大型間接税は導入しなかった。また税率を7%から5%に引き下げたカナダの例があります。

基本的欠陥の2  

膨大な滞納を招く欠陥、消費税は間接税ではなくむしろ直接税

 消費税の滞納額は国税のうち第1位。それはその本質的性質が間接税ではなく直接税で、赤字でもかかる事業税だからです。それは消費税タイブの税金の生い立ちをみればわかります。その産みの親カール・S・シヤウプが1949年に「日本税制の勧告」のなかで、事業税にかえて「附加価値税」という名前の税金を採用するように提唱(法律として成立したが実施されず廃案)。事業税はいうまでもなく直接税。シヤウプの「附加価値税」は企業の付加価値を課税標準とする直接税で、消費者への転嫁も、輸出企業への還付金も認めていませんでした。1954年、フランスで採用された「付加価値税」は、シヤウプの「附加価値税」と基本的な計算方式が同じ仕組みであるにもかかわらず、「物に課税する間接税」と定義しました。その理由は、直接税を輸出企業に還付することはガット協定違反となり認められないが、間接税であれば還付が認められるためです。輸出企業に還付という補助金を与えるため本来直接税である「付加価値税」を無理矢理間接税にしたのです。消費者・国民・世界をペテンにかけた!

 消費税=付加価値税は直接税の性質と間接税の性質を合わせもった、いわば二つの顔をもった不透明な欠陥税制です。「にせ間接税」といってよい。事実、間接税の脱税を取り締まる国税犯則取締法施行規則第1条は消費税を間接税として認めていません。消費税の二面性が消費税の不公平性・不透明性を招いている。(基本的欠陥の3は次号へ  

基本的欠陥の3

消費税にある最大の不公平=輸出大企業への還付金制度

 消費税はもともと転嫁と無関係な税制。法律上転嫁の保証もない。消費者は税として負担したことはなく、物価の一部として負担(東京地裁判決参照)。輸出還付金制度を支えるのはフランスが発明した「ゼロ税率」と「仕入税額控除方式」。輸出大企業に補助金を与える「詐欺的手法」。法律的には他人が払った税金を還付してもらうのは(「間接税」だとすればあり得ない)「いわば横領」。しかも大企業は経済的には下請単価をたたいて実質的負担なし。還付金額は、平成24年度予算の国・地方合計では3兆2150億円にのぼる。消費税の税収13兆円の25%に相当。愛知県豊田税務署など全国の9税務薯が消費税収がマイナスとなっている。

 完全非課税(ゼロ税率)と不完全非課税(ニセ非課税)の間の不公平についていうと、医者・病院の社会診療収入、居住用建物(家賃)、身障者用品などの不完全非課税の悲劇。つまり還付は認めていない。しかも食料品を非課税(ニセ非課税)にしても価格は下がらないし不公平はなくならない。

基本的欠陥の4

消費税は物価を通じて庶民の購買力を縮小させる欠陥

 消費税は物価を通じて庶民に負担を求める。税率引き上げは国民の購買力を奪い、事業者は売上減少となる。税率が10%になれば人件費の多い中小業者は納税額は2倍になる。簡易課税の見直しによりサービス業・自由業の税負担が2・4倍に急増する。免税水準1000万円は今回据え置きの予定です。そして愉出大企業の還付金は逆に2倍近くに。消費税を社会保障財源にあてるとすれば、「社会保障のためと称して還付金をもらう」ことになる。

基本的欠陥の5

消費税は正社員を減らし派遣社員や外注を使う欠陥

 消費税は結局人件費・給料に課税する仕組み。給料を抑えることが節税となります。派遣社員や外注に依存することになる。それが正社員の給料をさげ、内需が減少し、ものが売れなくなり、デフレに歯止めがかからなくなり、景気が後退する。その結果、所得税(源泉所得税)の税収減になり、国家財政を破綻させる。 【提言】財源は消費税以外にたくさんある、消費税は廃止できる  ㈰日本の財政は危機的状態か? ギリシャとの違いは。高齢社会は高齢者が働く社会。(かならずしも働く人が働かない高齢者を支えるという図式ではない)

 ㈪大企業・高額所得者に適用されている特恵的な租税特別措置・不公平税制を全廃する。不公平税制の是正による増収額は2012年度の国税で9兆9千億円、地方税で8兆1千億円、合計で18兆円強になる(不公平な税制を正す会『公平税制』319号の試算参照)。

 ㈫輪出企業にたいする消費税の還付金制度を停止ないし廃止する。これによる税収は毎年およそ国・地方併せて3兆円程度になる。

 ㈬消費税を廃止して、個別物品税にする。消費税を廃止して大企業に限定して課税する事業税にする。資産家に対して富裕税を課税する(富裕税は総資産額から負債額を差し引いた純資産額に対し毎年一定率で課税)。

  大久保韓流タウンの賑わいと路地における往来のその後  新宿商工新聞5月号にて最近賑わいを増す大久保の路地の交通問題にて記事を掲載。

 同文を新宿区へ送り、この問題の現状の対応、対策を中山区長から回答がありました。

【区長からの回答】
大久保通り及び周辺は、近年韓流ブームにより平日休日を問わず多くの方々が訪れ(中略)歩行者が安心して道路を歩くことができなくなったり、地域の方々が自動車や自転車を利用しづらくなっているなど、問題も発生してきています。そのため区では、「車両に注意してください」などの立て看板を設置し、来外者が交通事故の被害者にならないよう注意を呼びかけています。また、大久保通りについては、東京都、地域の町会、商店街、警察署などといっしょに、路上に置いてある看板等を置かないよう指導したり、道路の清掃活動を定期的に実施してます。今後は、地域町会や大久保地域にお住まいの韓国人コミュニティに働きかけて、店を訪れるお客さんに注意喚起するチラシを配布したり、店ごとに道路の混雑を緩和するために講じてもらうなど、住みやすいまちとなるよう努力をしていきます。何とぞ、ご理解ご協力くださいますようお願いいたします。〈以上〉

確かに看板は立て、混雑時には各店舗の一部店員が車両侵入時には注意を促しているようですが、まだ徹底されていないように思われます。今後より一層の安全対策を願いたい。